第13章 悲しみと、不甲斐なさと
「兵長、」
「取りあえず飯を持ってきたが…食べれそうか?」
「…はい。頂きます」
リヴァイが持って来てくれたパンとスープを見て、ティアナは
急に空腹を覚えた。
ベッドから起き上がってお盆を受け取る。
リヴァイは側にあった椅子を引き寄せて座った。
………
「…あの…」
「なんだ」
「そんなにみられると食べづらいのですが…」
「そうか」
そのまま目線を逸らしてくれるかと思いきや、リヴァイは
じっとティアナから視線を固定したままだ。
それが何だかおかしくて、先程まで後悔とかで頭がいっぱいで
ネガティブ思考に嵌っていたのが嘘のように気が抜けた。
…勿論忘れたわけではないけれど、ほんの少し楽になった
のも確かで。
結局リヴァイの視線は諦めて、ティアナは気にしないように
頑張りながらご飯を食べ始めた。
「…壁外から帰ってきて丸一日経った。ティアナの容態だが…」
相変わらず目線は固定したまま、リヴァイは気を利かせてか
知りたかった状況を説明し始めてくれた。
「俺は詳しく聞いてないからよく知らねぇが、大きな傷は無い
そうだ。ただ体を酷使しすぎたせいで疲れたのか、一日
ぶっ通しで寝てたがな」
ティアナも無理をした自覚はあったから、一日寝ていたと
聞いても驚きはない。
大きな怪我をしていないのは朗報だ。またすぐにでも訓練に
参加できる。
そんなことを考えながら手と口を絶え間なく動かし続けて、
なんとか全て食べ切った。
空腹を感じたのは確かでも、食べ始めてから割とすぐお腹が
満たされて少し焦ったが、体力回復のためにと思って口に入れた。
――――――
約一ヶ月ぶりの更新です!
企画や修正、私のリアルなどで長らくお待たせしました。
また書き方にぶれがあると思いますがご了承ください。