第13章 悲しみと、不甲斐なさと
食べ終わってからティアナは手持ち無沙汰で、リヴァイも説明が
一通り終わったのか黙っている。
どうしようかと思い避けていたリヴァイの方を見れば、目線は
すでにティアナから外されており拍子抜けした。
いつかのドロシーに嵌められた日の夜みたいに、緊張を孕む沈黙が
二人の間に横たわる。
「…体調はどうだ?」
ようやくリヴァイが発した言葉は、こちらを気遣うもの。
それもまた以前と被る。
「もう大丈夫です。
……あの、ナナバさんは何かおっしゃっていましたか?」
気になっていたことを勇気を出して聞く。
ナナバはそんなことをしないだろうが、罵られたら何を言って
いいのかわからないし、逆に何も言われないのも失望されたようで
怖い気持ちもあった。
「ナナバか?…お前がちゃんと生きてることに安心していた」
「…本当ですか…?」
「あぁ。そりゃあ一人でも多く帰ってくれば嬉しいだろう」
その答えにほっとする反面、デリオとイーゴンを救えなかった
という事実がティアナの中で重くのしかかって素直に受け取れない。
「…でも私は…私のせいで先輩方が…」
「なんだ?」
訝しげにリヴァイが聞く。
ティアナは当時の状況、そして自分が遅かったせいで先輩方が
喰われてしまったことを、たまにつかえながらも何とか話した。