• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】心の氷が溶けるまで。

第12章 初陣・2




おそらく犠牲の度合いは左翼側も同じだろう。

初列索敵班はリヴァイやミケほどではなくとも、それなりに
実力ある兵士だって多いはずだ。
それなのに一部がもう壊滅している…?

あの日現れた超大型巨人と鎧の巨人以外、普通の巨人に知性はない。
だから今の状態は偶然が重なっただけなのだろうが―


最悪としか言いようがない。

まるで誰かが考えたかのような心理的・物理的にこちらを
封じるような状態。

もしかしたらあの知性巨人がかかわっている可能性も―?


…とここまで考え、ティアナはそれを打ち消す。
例えそうであろうとなかろうと、今は現状を何とかして打破するより
他はないのだから。


気持ちを切り替え、目的の兵士に先ほど聞いたことを伝えると、
ティアナは急いで自分の場所に向かう。


そうして、そこで見たのは。

―イーゴンとデリオが、まさに巨人に食われた瞬間で。





「いやぁぁぁ!!!」


ティアナは悲鳴を上げ、そして目の前の光景と母が殺された
光景が重なった。

自分の前で誰かを死なせないと、そう決めたのに。
今まさに死にゆくものが目前にいるのは、どういうことか。

悲しみと驚きと絶望で動けないティアナは、まだ辛うじて
息をしていたイーゴンと目が合う。ほんの少しだけ微笑んだような
気がして―



――その瞳から光が消えた。

/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp