第12章 初陣・2
ティアナの祈りも虚しく、昨日もお世話になった索敵支援班である
(実質は新兵補助?)先輩方のうち突っ込み役の方の先輩である
デリオがこちらへ来る姿を認めた。
兵士が直接やり取りするのは、信煙弾では伝えきれない事態が
起こったということ。
ティアナは内心冷や汗をかきながら、しかしそれが愛馬の
ミッドナイトに伝わらないよう何とか気持ちを落ち着ける。
馬は乗り手の気配に敏感だ。特に、心を通わせた愛馬ならなおさら。
本来ならもう一頭連れているはずなのだが、もし何かあった時に
身動きがとりずらいということで、出発前に連れなくていいと
エルヴィンより指示があった。
もしかしてエルヴィンは今の事態すら予測していた…?
昨日の「期待」は、もしかしたら今即戦力になることに対して
なのかもしれない。
そんなことを考えていたら、ついにデリオが傍に来た。
「…ティアナ、右翼側の一部が壊滅したらしい。もしこっちまで
来ても俺らで食い止めるから。取りあえず横に伝えてこい」
「…了解です」
急いで伝えるために進む向きを変えながら、ティアナは予想以上に
酷い犠牲に唇をかんだ。
――――――
先輩方、ようやく名前を付けました…
何気準レギュラー気味だったしね
因みに少し天然で腕っぷしが強いのがイーゴンで、
力ない突っ込みしてたのがデリオです。