第12章 初陣・2
とまぁ、それは置いておいて。
ティアナはナナバに聞きたかったことを聞くことにする。
「ナナバさんたちは私達が会った巨人の群れを見ましたか?」
「いいや、初列索敵班は見ていない。奇行種6体か…
報告も今の以外では聞いていないよ」
「そうですか…ありがとうございます。…あの、もう一つ伺いたい
ことがあるのですが、この報告とは関係ないので…」
「構わないよ。…二人は何かある?」
ナナバが先輩たちに問いかけるが、二人は否定の意を示す。
「そう、じゃあお疲れ様。もう戻っていいよ」
「はっ」
敬礼をして部屋を後にする先輩達を見届けてから、ティアナは
再びナナバに向き直る。
「壁外調査の前に起きたことについてなのですが」
「あぁ、ドロシーたちのことか。エルヴィンから聞いたよ」
「それで、ドロシーたちがどうなったのかと思いまして…」
そう。あれから少し経つが、どうなったのか全く分からないのだ。
元々班も違うし、あの出来事も表沙汰にはならなかったから噂に
なることもなく。
だからティアナはずっと気になっていたのだ。
なぜ壁外調査中の今そんなこと気にしてるのかといわれれば、
それは今まで機会がなかったからとしか言いようがない。
そして今絶好の機会なのである。