第12章 初陣・2
物資の搬入が終わったのは日が暮れる少し前だった。
ティアナは夜のうちに帰るのかと思っていたが、どうやら
この拠点で一泊して夜が明けたら帰還する予定らしい。
ティアナはナナバへの報告に来ていた。
とは言っても、実際に報告してくれているのは先輩方で、
ティアナはその場にいるだけだった。
「…ということで、ティアナの機転のおかげで何とか
合流できました」
…いや、うん。
いくら何でも持ち上げすぎやしないか。
「…私なんかより先輩方のお力が大きかったです」
「いや、ティアナのおかげだったぞ?」
「…まぁ、ティアナのことを別にしてもお前はほぼ力に
なってないのは確かだな…」
思わず口を挟めば、そんな事はないとすぐに反応してくれる。
でも絶対そんな言うほど役に立ってないとティアナは思う。
特に拠点見つけたのなんて本当にたまたま、というかぶっちゃけ
巨人の功績だ。
「まぁそこまでにしなさい。誰とは言わず、3人とも良くやったよ」
ナナバが無難に、でも心からとわかる声でそうまとめる。
そういうところがティアナが憧れてやまない理由の一つだ。
強さはリヴァイ、中身はナナバがティアナの目標なのである。