第12章 初陣・2
あの後迷子を自覚してから3人で相談して、取りあえず本隊が
進んでいたであろう方向に突っ走ることにした。
しばらく平穏に進んだ後、またもや巨人に遭遇した。
それがティアナ達にとって幸運だったのだ。
いや、もちろんそう思えるのは今だからこそで、遭遇した時は
真逆のことを思っていたのだが。
始めは逃げようかと思ったが、これ以上道から逸れるのは困る
ということで、結局討伐することになった。
幸いなことに今度は1体の通常種だけだったのですぐに討伐できると
踏んだのだ。
先輩たちはなんとティアナに討伐の役目を譲ってくれ、
二人は補佐に回る。
そして、ティアナが仕留めようとうなじに切り掛かった時。
…そこから拠点が見えたのだ。
3人は拠点の近くまで来ていたらしく、しかしこのまま進んでいたら
確実につかない場所にいたのだった。
すぐにそのことを二人に知らせ、急いで拠点に向かってきた、
という訳だった。
この時ばかりは巨人に感謝した。
何か一つでも違っていたら今3人とも無事でここにはいないだろう。
ナナバ達初列索敵班の兵士も、確認できた限りは欠けている人も
いなくて安心したが、未だベルの姿が見えずにティアナは不安だった。