第11章 初陣
そうして少し経った頃―
「あの、そろそろ合流してもいいころですよね」
「そうだな、距離的にも」
「…もしかして道ずれたとか…?」
「いやでも信煙弾は見なかったぞ」
…絶賛迷子であった。
「本隊はもう拠点についた可能性もありますよ。ほら、時間的にも」
「そうだな、確かに」
「…で、俺たちは今どこにいるんだ…?」
『……』
…もう一度言おう、ティアナ達は絶賛迷子であった。
・*・
時を同じくしてリヴァイは。
少し前に到着したばかりの壁外拠点にてティアナの安否を
心配していた。
「リヴァイ、ティアナが心配なのはわかるが、せめて休憩しながら
待つことはできないのか」
「俺は別にそれほど疲れてないだけだ」
こちらに来て話すエルヴィンに適当に返す。
ティアナへの思いをこいつに言ったことなんてないのに、いきなり
図星を突かれた。
「そういわれてもね。兵士長である君が休まないとみんなも
休めないことくらいわかるだろう」
「…あぁ」
仕方なく入り口で外を見張るのをやめて中に入る。
エルヴィンの言うとおり、中も外も忙しく動き回る兵士の姿が見えた。
リヴァイはエルヴィンと共に個室へ入る。
「…被害の状況は?」