第11章 初陣
先輩たちも討伐し終えたようで、巨人の死体(?)が転がっていた。
「お疲れ様です、これで全部ですか?」
「おう、お前も良くやったな。取りあえずはこれだけのはずだ」
「二人ともお疲れ。でも急がないと戻れなくなるぞ」
その言葉に3人とも馬を走らせる。ティアナは隊列的にこの二人と
場所は違うけど、本隊とはぐれた今はその通りにする必要もない。
合流したら位置につけばいい話だ。
「それにしてもローエすごいな。一人で2体だろ?」
「ホント。お前の方に行かないようにと思っていたが、逆に力に
なってもらっちまったな」
「いえ、無我夢中でしたし技術も先輩方と比べればまだまだです」
「そんなことねぇよ。お前の実力は同じ班の俺らが
よく知ってるんだから」
「…ありがとうございます」
おそらく精神面でのケアのためにこんなティアナを褒めてくれて
いるんだろうけど、それでもやはり嬉しいものは嬉しい。
初めての巨人討伐はティアナも巨人と戦えるという自信と、
改めて調査兵団の仲間・壁内人類の自由のために命ある限り戦おう
という覚悟をもたらしてくれたのだった―