第11章 初陣
朝日が部屋に差し込むのを感じ、まだ少し残る眠さを堪えながら
目を開けた。
…どうやらあの後リヴァイが運んでくれたらしく、ティアナが
寝ていたのは自室のベッドだ。
また迷惑かけてしまったと申し訳なく思うが、昨夜リヴァイが話を
聞いてくれたおかげで心の底からすっきりしていてありがたく感じる。
「ふわぁ…」
大きく伸びをしてベッドから降りれば、ベルもちょうど起きた
ところだった。
「ベルおはよう」
「ん、おはようティアナ」
挨拶だけ交わすと急いで準備を始める。
お互いはもう、今話すべきことは無かった。
・*・
太陽が昇ってから約3時間後。
調査兵団はトロスト区の外門前で待機していた。
愛馬のミッドナイトは優秀で、怖がっている様子は微塵もない。
頼もしい相棒の様子を感じながら、ティアナは目を瞑り静かに
深呼吸をする。
再び目を開けたとき、鐘の音が響いた。
「開門30秒前!!」
…いよいよだ。
緊張感が高まり、鳥肌が立つのがわかる。
「間もなくだ!これより、人類はまた一歩前進する!お前たちの
成果を見せてくれ!!」
『オー!!!』
「開門、始め!!」
みんなが拳を上げて叫んだ直後、ついに門が開く。
ティアナは手綱を握りなおして前進に備えた。
「進め―!」
「これより壁外調査を開始する!前進せよ!!」
エルヴィンの掛け声で一斉に進む。
――こうして、壁外調査が幕を開けた。