第10章 まったり休日
ティアナが戸惑っているのが分かったのか、今度はベルが口を開く。
「あなたのことが大切で、心配なの。…ティアナにはあなたを
救いたいって言ったけど、実際は私がたくさんティアナに救われた。
だからそのお返しをしたいと思ってさ。代金は私が持つし、
アンナさんにも協力してもらった」
「…私の方こそいつも救われてばっかで、むしろベルに迷惑しか
かけてないと思うんだけど、」
「それはない」
いや、でも...と続けようとしたら、アンナの咳払いに阻まれた。
「友情の確かめ合いというか、そういうのは後でやって。今は
その話じゃないでしょ」
「…ごめん。…まあだから、私がティアナに勝手にやって
あげたいだけなんだから、ありがたく受け取っておけばいいの、
分かった?」
最後はもう気迫で頷かせようとしてた。ティアナも思わず頷き
かけて、慌てて動きを止める。
「ベルって子はもう。最後で照れたからって乱暴にいくのは
良くないわよ」
アンナに窘められて少し拗ねてるベルは新鮮で、可愛くてっちょっと
笑ってしまう。アンナさんとも、まるで本当の姉妹みたいで。
ベルにそう伝えたら、どういう反応をするのだろうか。
「笑わないでよ、ティアナ」
「ごめん、、思わず」