第10章 まったり休日
中に入ると、たくさんの服が並んでいいた。
お店の中はそんなに広いわけじゃなかったけど、
置いてある服はどれも洗練されたデザインではずれがなさそうだ。
「いらっしゃい」
「いつもお世話になってます」
奥から出てきた女性の方に挨拶をするベル。若々しい、綺麗な女性だ。
知り合いなのかな…?
と思っていると、戸惑っているティアナに気付いて紹介してくれた。
「この人はアンナさんって言って、前に話した恋人のお姉さんなんだ。
私が持ってる服は全部ここのだし」
道理で今日、来る前に見たベルが持っていた服はどれも可愛いもの
ばかりだったわけだ。このお店もここで服を選ぶベルもセンスがいい。
「アンナさん、この子は私の親友のティアナです。これからは
この子もよろしくお願いします」
「あ…ティアナ・ローエです。アンナさん、どうぞよろしく
お願いします」
「もう、そんな硬くならなくていいのよ。ベル、あなたもいつもは
そんなんじゃないでしょう。
お友達がいるからってかしこまらなくても」
「う...アンナさん、今それ言わなくてもいいでしょ」
アンナは思っていたよりも優しく朗らかな人で、ベルとも親しい
様子だった。
そしてティアナにも笑いかけてくれた。