第12章 贈りもの 『キミのとなりで ずっと』より
-Oside-
「智すごい!こんなちっちゃいのに細かい!可愛い!シーサーじゃないみたいなのにシーサーって分かる!不思議!天才!」
ニノの口から次々褒め言葉が出てくるもんだから、照れくさくて何だかむず痒い。
でもニノは心から言ってくれてるって分かるから素直に嬉しい。
「え?これ俺がもらっていいの?本当に?」
「うん。だってこれはニノのために作ったんだもん」
そんな確認をされたから、こくりと頷いたら、ぱぁぁっとニノの顔が輝いた。
「嬉しい!ありがとう、智!」
「どういたしまして」
ニノは目をキラキラさせて、満面の笑顔で喜んでる。
良かった。こんなに喜んでもらえると造り手冥利に尽きるよなぁ。
でもこれだけじゃないんだよ。
「実はね、まだあるんだ」
「え?あ、そっか!シーサーって2体1組なんだっけ?」
「もう一度、手出して」
「うん」
ニノは納得して素直に手を出してくれるけど、今度は片手じゃ足りないんだよね。
「両手出して」
「ん?なんで?」
ニノは首を傾げながらもう片方の手もくっつけて、両手をお皿みたいにしてくれたから。
そこに残りのシーサーたちをドサッと乗せた。
「わぁ!すごい!たくさん!え?2体じゃないの?」
ニノの手の上には計6体のシーサーたち。
ニノは目を丸くして驚いてる。