第12章 贈りもの 『キミのとなりで ずっと』より
「本当は2体なんだろうけどね。顔よく見てみて?」
「顔?みんな違う顔してるけど…」
言われるまま1体1体の顔を見ていくニノ。
「あれ?なんかこの子、翔ちゃんに似てる…?キリッとしたイケメンさん」
ニノがちょっと自信なさそうに俺を見る。
「うん、正解!」
そう。
このシーサー俺たちに似せて作ったんだよ。
ちゃんと分かってもらえて良かった。
翔くんから気づくのは、やっぱり愛だね。
「やっぱり!智、すごい!」
ニノは目を輝かせると、残りのシーサーを熱心に見比べ始めた。
「あ!こっちは雅紀だ!…で、この子が智で…この子は風間だ!」
ニノが楽しそうに1体ずつ並べていく。
「あははは!この子は眉毛が立派ー!潤くんだ」
潤シーサーを見つけた時は爆笑して。
「じゃあ、これが俺?」
「そうだよ」
最後の1体を置くと、並んだシーサーを眺めて本当に嬉しそうな顔をした。
「すごい…みんないる…」
「最初はニノと翔くんの2体だけだったんだけどね。せっかくならみんないた方がいいかなって思って」
仲間を大切にするニノだから、全員分あったらもっと喜ぶかなって思ったんだ。
オリジナルだもん。
2体に拘る必要なんてない。
自分の思うがまま、自由になんでも出来るのが、手作りの良いところだよね。
「ありがとう、智♡本当に本当に嬉しい♡」
ぴょんっと俺に飛びついて、全身で喜びを伝えてくれるニノ。
「どういたしまして。そんなに喜んでもらえると、俺も嬉しいよ」
ニノを受け止めながら、俺の頬も緩んでいった。