第10章 お見舞い『キミのとなりで ずっと』より
-Sside-
カズに会えないこの数日…
俺の心は心配と寂しさとで押し潰されそうだった。
カズに会いたくてたまらなかったけど、メッセージに返事をすることも出来ないくらい体調が悪いんだと思ったら、お見舞いに行きたいだなんてとても言い出せなくて。
でもそんな俺の背中を、雅紀があっさりと押してくれた。
“ 翔くんや智がさみしいのと同じに、ニノだってさみしいはず”
この雅紀の言葉はストンと俺の中に入ってきて。
素直にそうかもしれないと思えた。
勇気をもらった気がして、すぐにカズに連絡してみたら、今日はすぐ返事が返ってきて。
「カズ熱下がったって!」
「本当?良かったぁー!」
思わず叫んだら、同じくらいのテンションで智くんも喜んでくれた。
「良かったな」
「うん!」
ニコニコと本当に嬉しそうに笑う智くんを、潤が愛おしそうに見ていて。
そんな2人の姿は微笑ましいけど、好きな人のそばにいる潤が羨ましくてたまらない。
『早くカズに会いたい…』
羨ましさを抑えきれず、ついカズに本音ダダ漏れなメッセージを送ってしまったら
『俺も…翔ちゃんに会いたい…』
…なんて、超可愛い返事が返ってきた!
ヤバい!嬉しい!
可愛すぎる!!
「ぐふふふふふ」
スマホの画面を見ながら笑いを堪えられずにいたら
「きもっ!」
「こわっ!」
潤と雅紀にどん引かれた…
「さすがにその顔はニノに見せない方がいいと思うよ」
基本的に優しい智くんにまで真顔で忠告されて。
「はい、気をつけます…」
地味に傷付いたんだけど…
でも今の俺はこれくらいじゃめげない!
放課後にはカズに会えるんだ!