第10章 お見舞い『キミのとなりで ずっと』より
-Nside-
今日も学校に行けなかった…
なかなかにタチの悪い風邪を引いてしまったようで。
早退した日の記憶は曖昧だし、熱が全然下がらなくてずっとしんどくて。
翔ちゃんも智も潤くんも雅紀も風間も、みんな心配して連絡くれたけど、ろくに返事もできなかった。
心配かけちゃって申し訳ないと思うけど、俺も翔ちゃんやみんなに会いたくて。
体は辛いし、1人で寝てるとさみしくて、涙が出ちゃったりしてた。
でも、やっと!やっと熱が下がってくれたから、明日は学校に行けるはず!
早く翔ちゃんに会いたい…
そんなことを考えながらウトウトしてたみたい。
スマホの通知音で目が覚めた。
見たら翔ちゃんからで。
『カズ体調はどう?』
『少しは良くなった?』
『今日お見舞いに行っても大丈夫?』
うそ!今日翔ちゃんに会えるの?
嬉しい!すごくすごく嬉しい!!
すぐに、大丈夫って返事をする。
熱が下がったことも伝えたら、本当に喜んでくれて。
学校終わったらすぐ来てくれるって。
『早くカズに会いたい…』
最後の一言に胸がきゅんきゅんして止まらない。
顔がゆるゆると緩んでいくけど。
自分の部屋だから、にやける顔を隠す必要もない。
『俺も…翔ちゃんに会いたい…』
そう返事をしてから、ハッとする。
俺ずっとお風呂入れてない…
絶対汗くさいし、汚いよ…
このまま翔ちゃんに会うなんて出来ない!!
大慌てで着替えを持って、お風呂場に駆け込んだ。