第10章 お見舞い『キミのとなりで ずっと』より
-Mside-
早退した日から3日。
ニノは今日も学校を休んでいる。
熱がなかなか下がらないようで連絡してもあまり反応がなく、翔も智も心配でたまらないみたいで。
2人とも分かりやすく元気がない。
日に日に萎れていくから、こいつらまで倒れるんじゃないかと心配になる。
「自分のせいでお前らがそんな顔してるってニノが知ったら、責任感じて泣くぞ?」
「うぅ…」
「分かってるもん…」
あんまり空気がどんよりしてるから、ついそんなことを言ってしまったら、ますます2人が落ち込んでしまった。
しまったな、逆効果だったか…
「まぁまぁ、それくらい2人ともニノが心配なんだよね」
心の中で反省していたら、雅紀が明るく声を掛けてくれて、暗かった空気まで少し明るくなった気がした。
「ニノは愛されてるねぇ」
「カズの笑顔を見ないと元気が出ないんだよ…」
雅紀がくふふっと笑うと、涙目になった翔が真顔でそんなことを呟いた。
大袈裟な…って呆れるけど、智もうんうん頷いていて。
本当にこの2人はニノのことが大好きでブレないよなぁ…
「じゃあ、お見舞い行ってあげたら?翔くんや智がさみしいのと同じに、ニノだってさみしいはずだから」
確かに、ニノだって翔に会いたいだろう。
翔の溺愛に負けないくらい、ニノも翔のことが大好きで。早退した日も、翔に会うために無理してたくらいだ。
今は体調が悪いから余計に心細くなってるかもしれない。
お見舞いという言葉に翔と智の顔がパッと輝いた。
「でも…体調悪いのに迷惑にならないかな…」
「絶対喜ぶよ!」
絶対会いに行きたいだろうに、それでもニノを心配してごちゃごちゃ言う翔の背中を、雅紀が太陽みたいな笑顔で力強く押してやる。
「じゃあ…連絡してみようかな…」
「うんうん」
いそいそとスマホを取り出した翔を見て、雅紀が満足そうに笑った。