第9章 おとぎのくにの 4
本当は今日は4人でのお茶会の予定だった。
でもショウさまに急な用事が出来てしまって、急遽中止になったのだ。
なんだか最近、ショウさまもジュンさまも何やらとても忙しそうで。
全くお顔を見ることが出来ずにいる。
だから久しぶりにショウさまにお会い出来る今日を、サトさまはとても楽しみにしていらっしゃったのだ。
会えないとわかった時の落ち込みようは見ている私まで胸が痛くなるほどだった。
「ショウに会いたいな…」
ポツリと呟いて、サトさまは苦笑を浮かべた。
「ダメだね…前はこうやってカズと2人だけで過ごすことが当たり前だったのに。いつの間にかすごくワガママになっちゃったみたい」
「ショウさまに会いたいと思うことがワガママだとは思いません」
こんな可愛い願いごとをワガママとは呼ばないと思う。
もしショウさまがお聞きになったら、むしろ喜ばれるんじゃないかと思うくらいだ。
寂しがっているサトさまには申し訳ないけれど、ショウさまを恋しがるサトさまはとても可愛くて。
ちょっと微笑ましい気持ちで見守っていたら
「私ばっかり弱音を吐いてごめんね。カズだってジュンに会えなくて寂しいのにね」
「そんな…私は…」
急に話の矛先を向けられて、つい口ごもってしまった。
ああ、これじゃ肯定しているみたい。
キッパリそんなことないと言わなければいけなかったのに…