第5章 おとぎのくにの 3
そのすぐ後にジュンから、今度ショウと4人で庭でお茶会をしないかと提案された。
急な話だったけど、お茶会自体は定期的にしているし。
庭で…というのは少し驚いたけれど、うちの庭には東屋がいくつかあるし、温室内にもちょっとしたお茶くらいなら出来るスペースがある。
だから単純に楽しそうだと思って快諾した。
でも、てっきりそのどこかを使うのかと思ったら、秘密の場所で4人だけで…と言われて。
はっきり言われたわけではないけど、どうやらカズとジュンには何か考えがあるみたい。
それが何かは分からないけれど、私のために…というのはなんとなく感じて。
その気持ちが嬉しくて、ますます楽しみになった。
ショウがやって来る頃には、カズとジュンは準備を終えていて。
案内された秘密の場所には大きな敷物が敷かれていて、その上にあまり馴染みのない食べ物が色々並んでいた。
今日のことが決まってすぐ、カズが料理長に色々相談していたけれど…
これはジュンがお土産だと言ってくれた大量の食材を使って作られたものかしら?
「どうぞお座りください」
敷物の上に置かれた大きなクッションをカズに示されたので、靴を脱ぎ捨てて腰を下ろす。
「テーブルまでは用意出来なくて…申し訳ありません」
カズは申し訳なさそうにしているけれど、そんなことは全然気にならない。
「気にしないで?むしろ新鮮ですごくワクワクしてるから」
にっこり笑い掛けたら、カズも安心したように笑った。