第5章 となりの日向くん。
昼下がりの屋上。
もこもこ空を漂う雲を眺めながら
私はある人を待っていた。
恥ずかしくて当人が来る前から爆発しそうなんだけど。
来る、来ない、来る、来ない…!
ほら やっぱり来ないんじゃ…
がちゃ、
「あれ 公野じゃん」
硬直。そしてひとこと。
「や やぁ日向くん…」
来ちゃった…
「オレのこと呼んだのって公野?」
「え!
あ あーそうそう!ごめんねこんなところに」
「まぁいいんだけど どした?
まーたリコがなんかやらかしたのか?」
いえいえ私はあなたに愛の告は…
わ 愛だって!重い!重いよ私!
「え?いーやいやいや
ちょっと日向くんとおはなししたいなーなんて!」
何言ってんの私!
当たる前に砕けるようわあああああ((
「どした?すげぇ顔赤ぇけど」
「いやいやいや!気のせいですよー」
「そか?ならいんだけどさ
風邪流行ってっから気ぃつけねーとな」
「そうだねっはいっ」
「風邪なんてひいたらリコにフルボッコくらうだろうし
マジで気ぃつけねーと…」
そっか リコのことは名前で呼ぶんだった。
中学も高校も 部活も一緒だったら
そりゃ呼んじゃうよね…
「ん?どした公野 急に黙って」
「なんでもないよ 超平気…」
言う前からメンタルぼろぼろ…
言える気が全然しないわ…
「ばっかやろおおおおお!」
「ちょ!お前何叫んでんだよ!
落ちるから危ねーから!フェンス乗り越えようとすんな!」
いっそ爆発してしまえよ、私。
to be continued**