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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第5章 となりの日向くん。



なんでか屋上のフェンスを乗り越えようとしながら叫びまくってた私を
日向くんが手を引っ張って抑えてくれたんだけど
疲れた 体力と気力すごいつかった…

「だアホ!びっくりしたわ!」
「いやー面目ない…」
「あー なんかすげぇ疲れた…」

そう言って私たちは床に寝っ転がった。
呼吸を整えながら 一面に広がる真っ青の空を見ていた。

「青いねー…」
「そうだな…っはは」

突然日向くんが笑いだした。

「やべ 止まんね…っはははは」
「え どしたの!?」
「いやさ 公野ってたまに周りすげぇびっくりさせることするよな」
「え?」
「リコといるときとかさ もうオレ見てるだけでおかしくておかしくて…あ」



ふいに となりに寝転がる日向くんと目があう。

風でゆれる黒く短い髪 切れ長の目
遠くから見るより ずっとずっとすてきだと思った。



どれくらい時間が経ったかはわからないけど
みるみる彼の顔が真っ赤になっていって
終いにはくるっと回って私に背中を向けてしまった。

「え ちょ 日向くん!?」

思わず顔を覗き込む私に
日向くんは片手で口元を隠しながら
ばつが悪そうに言った。

「悪ぃ 見てたとか言って…
すげぇ恥ずかしい…」



耳まで真っ赤になる日向くんに
不覚にも ときめいてしまった。



「…ねぇ日向くん」
「…んだよ」
「私のこともさ 名前で呼んでくれる?」
「はぁ!?ななな なんでいきなり」
「呼んでほしい」
「いや だからなんで…」
「呼んでほしいの」

しばらくして 日向くんは
はぁー、と深いため息をついてから
私のほうに向きなおった。



「…公子」

「はいっ」



色々空回りしたけど
どうしたって私は
日向くんのことが好きなのだ。



「…何にやにやしてんだよ」
「べっつにー?」
「しゃーねぇなったく…え」

日向くんがじっと手の方を見る。
つられて私も同じ方向を見る。

視線の先には いつのまにか繋がれていた手。

「ちょ 公子!手!」
「わ!」



end**
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