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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第3章 となりの小金井くん。



コガと並んで歩いていたとき
流れで部活の話になった。



「公子はさ…怒ってねーの?」
「は?何に?」
「いやさ 俺テニスやってたのに今バスケやってんじゃん?
半端だーとか思ってないかなって…」
そう言ってしょんとしたコガ。

そりゃ部活違うってわかったときは少しさみしかったけど
でも でもねコガ、

「何言ってんの 怒るわけないじゃん」

「え?」

「水戸部のこと見てかっこいいなって思ったんでしょ?
コガがしたいことをしてるのがいちばんいいことだと思う
それに バスケしてるときのコガ すごくいい顔してて
見てて楽しくなるし 私も嬉しくなるよ」



思わず一気に言ってしまった。
うわ なんか私コガのこと大好きみたいじゃん!
恥ずかしっ!

これはコガも引くわなぁ と思ってちらっと顔を上げたら
コガはふへ、と嬉しそうに笑っていた。
その笑顔は私とテニスをしていたときより
ずっとずっと幸せそうで すこし恥ずかしそうだった。

「そっかそっか わ なんか恥ずいな!
にやけ止まんねー…
でも…サンキューな公子 俺器用貧乏だけど
いつか俺だけの何かすっげー技できるように頑張るわ!」

ちょっとうるさいくらい声を張り上げるコガの頬には
きれいに朝日がおちていた。
まぶしい でも
不思議なくらい心地がいい。



「ほらほら さっさと学校行くよ」
「ちょっと待てって 寝不足の俺をもう少し労わって…」
「そんなんでリコのメニューこなせるの?」
「思い出した 今日確かダッシュの本数倍…
いーやーだああああああ!」
「ダッシュダッシュ!」
「やめろやめろ!聞こえない聞こえない!」



器用貧乏で お調子者で たまにばかで
嬉しいときににぱっと笑うコガがやっぱり好きで
これだから毎朝の賭けも
奴の姿を目で追ってしまうことも
やめられない。



end**
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