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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第29章 となりの笠松くん*back ground



かちっ、と ストップウォッチが軽い音をたてる。
その音を合図に 俺が必死で見つめるのは女子小学生の写真。
一秒ずつカウントするのは 後輩の公野だ。

ろーく、しーち…

耐えるんだ いや、耐えなきゃだめだ。
高校3年生にもなって女子を見ることができないなんて
この先暮らしていくのに支障ばりばりだろ!
せっかく克服に公野が骨折ってくれてんだから
俺が頑張らねぇと示しつかねぇだろ!



「はいそこまで!
もうこれで小学生までは余裕ですね」
「ほんとか!?よしっ!」
「少し休憩挟んだら 次は中学生編に突入しましょうね」
「中学生…やってやるぜ」



しかし 公野は女だが割と平気なのに
どうして他の女は見られないんだろうか。
最初公野のことを男だと勘違いしたのは事実だが
あれから月日も流れたし だいぶ女らしくなって…

なんて考えているうちに 俺と公野の特訓は
中学生編に突入した。



「っだーだめだ!恥ずかしい!」
「困りましたね…横顔とかでもだめですか?」
「目が合わないのなら幾分見られると思うんだが…」
「じゃあ この子とかは?」

ぴっ、と 新しい写真を見せられる。

「ぐ…!」
「目逸らしちゃだめですよ さーん しーい…」
「…っだめだあああ!」



とかなんとか苦戦しつつも
めでたく中学生編もクリアした。

次はいよいよ高校生編 厳しい戦いになるだろう。
しかし 手強い相手だからこそ
俺は負けるわけにはいかないんだ。
気持ちを入れ替えるため 深く深呼吸をした。



to be continued**
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