• テキストサイズ

となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第28章 となりの火神くん*back ground



時が止まったように静かだった部屋にインターホンの音が響いた。
重い体を引きずってドアを開けると
ばかみたいに明るくて まぶしい奴がいた。

「こんちは火神くん!ふとどき者でーす!」



「…それさ お届け物じゃねーの?」
「え?そう言ったじゃん」
「いやさっき絶対…」
「まぁ細かいことはいいじゃないか それより具合どう?熱は?」
「あー熱は38度いかねーくらい…」

自分から話を振った癖に 公野は話を聴く素振りも見せず
俺の部屋の中を物色し始める。

「っておい!何棚の上いじってんだ!」
「いいねーこの写真 黒子くんたのしそう!バスケ部で撮ったの?」

あぁ そんなのあったな。いつのだっけ。
…やべぇ しんどくて頭まわんねぇ。

「そうだけど…ていうか悪ぃ もう立ってるのしんどい…」

よろけて公野の肩に頭を置く格好になる。

「ちょ!だいじょぶ?
ごめんごめん 火神くん寝てていいからお布団行こう?」

熱が上がってきたのかもしれない。
しんどいし緊張するしで なんか涙出てきた…
小さくひんやりした手で俺の背中をさすりながら
公野に優しく声をかけられる。

「ほらほら一緒に行こう 大丈夫大丈夫」

学校ではただうるせぇだけだと思ってた公野が隣にいてくれることに
不覚にも 安心した。



プリントを持って来てくれただけなのに
迷惑かけっぱなしだ。

「悪ぃ…」
「いいよいいよ 来たついでだし看病させて!
氷枕作ってくるから 火神くんは寝ててね」
「ん…」

遠ざかる足音をぼんやりと聴いているうちに
俺の意識は眠気にのまれた。



to be continued**
/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp