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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第27章 となりの高尾くん*back ground



早くプレゼントを買って公子とのデートを楽しみたかった俺は
占い好きの真ちゃんのために本屋で占いの本を購入して
店の中を歩いていた。

せっかくだから 記念になるものがほしい と思っていると
進んだ先のゲーセンにプリクラ機が見えた。

「あ 俺あれやりてぇ」
「え?プリクラおひとり様ってさみしくない?」

ざっ、と後ずさった公子。
なんだこいつ わざとか?それともそういうネタなのか?さすがに傷つくぜ。

「誰が一人っつったよ!公子と撮るんだって」
「は 私と!?」
「何恥ずかしがってんだよ 俺と公子の仲じゃねーの」
「えー…」
「いいじゃねーか 久々に会ったんだし記念にさ!ほら 行こーぜ!」



少し躊躇う公子を連れ 俺たちはプリクラを撮った。
家族での写真なら何度も撮ったことがあるのに 柄にもなく緊張した。

出てきたプリクラを公子と覗き込む。
自動で修正が入っているが ぶっちゃけない方がかわいい。
いや あってもかわいいんだけども。

「ほら かわいい」
「かわっ…!かわいくないよ」
「そんなことねーよ?
しばらく会わない間にすっげぇかわいくなった」
「…ありがと」

照れたのか 少し顔を赤らめる公子。
さらっと言ったつもりだけど 自信がない。
言う前から心臓がどきどきして 今だってうるさいくらいだ。

「お やけに素直じゃん
かわいくなった公子にはよしよしをしてやろう」

そう言いながら 俺は公子の髪をなでる。
さわり心地のいいこいつの髪がすきで
昔からこうしてなでてはくちゃくちゃにして
よくでこぴんをくらっていた。

「…すごいくずれたんですけど」
「すっげぇ芸術的になったなー なんならこの頭のままもう一回プリクラ撮るか?」

なーんて、と笑って茶化していると
黙りこくっていた公子が突然動いた。

「…加減を知らんのか このでこ野郎!」



ばちっ



「ってぇ!」



昔と変わらない中身 気持ちのいい髪
そして昔よりずっときれいになった姿をまとう公子と
もっと 2人だけの思い出が増えていくといい。



end**
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