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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第27章 となりの高尾くん*back ground



根っから饒舌な俺は 久しぶりに公子と出かけられる嬉しさもあって
一度話しだすと もう止まらない。
正直自分が何の話をしているのか 途中から分からなくなってきていた。

「あーそうだそうだ!
こないだなんて真ちゃんさー…」

「ちょっとは黙れやあああ!」

こめかみに血管を浮かべた公子はそう叫びながら
俺のおでこに奴の得意技のでこぴんをくらわした。

「ってーな公子!
相変わらず公子のでこぴんきっついわ 指どーなってんだよ…」
「和成も変わってないよ 残念なくらい」

公子のため息が 百貨店の賑やかな空気に静かに漏れた。



真ちゃんがもうすぐ誕生日だから何かプレゼントしようと思ったのはいいが
あいつの好みの見当がつかず 困った俺は
幼馴染の公子に助けを求めた。

別の高校でマネージャーをしている公子とは時々試合で会うが
こうしてゆっくり会う機会なんて 高校生になってからなく
久々に見る私服の公子に 不覚にも胸がときめく。



「で 何買うか目星はつけてるの?
緑間くんの誕生日プレゼント」
「考えたんだけどいいの思いつかねぇんだよ
だから女子の意見聞こうと思ったのに こんな暴力的な女子になんて聞いても…」
「次は指2本でくらわすぞ」
「ちょちょちょ 冗談だって!マジ痛ぇからそれ!」

2本のでこぴんを構えた手をほどきながらからからと笑う公子。
昔と全然変わってねぇ。
少し手が早くて 沸点が低くて とびきりいい奴で
俺の好きな公子のまんまだ。



真ちゃんのプレゼント探し、なんて体じゃなくてもよかった。
デートしよう、なんて直球で誘って
公子がのってくるわけがない。

俺もまだまだだな…と思いながら歩いていると
焼き物のコーナーが目にとまった。
視線の先には でかい信楽焼のたぬき。

あぁ あれでもいいか
真ちゃんたぬき好きだろうし 縁起ものみたいだし。

「和成?どした?」



「信楽焼新調ってのもいいなぁ…」



「…は?」



to be continued**
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