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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第21章 となりの小金井くん*back ground



中学のときから見ていたあの後ろ姿を
俺は今日も探す。
角を曲がった先に あいつはいた。

「おーい 公子ー!」

「コガ おはよ」

こうして朝会える日が
たまらなくうれしい。



「へへ 姿見えたから走ってきた!
今日は早いんだなー」
「うちも朝練あるからね バスケ部も?」
「当ったりー!でも昨日遅くまでゲームしてたから超眠ぃよ…」
「前言ってたカーレースゲーム?」
「それそれ なんかどうしてもさー…」

俺が言おうとするその先を 公子は平然と当ててのける。

「1位になれない?」
「わ なんで分かんの!?」
「そりゃコガは筋金入りの器用貧乏だから」

くす、と静かに笑うところは何年経っても変わらない。
俺は誰よりも公子のことを知っているつもりだし
知りたいと思ってる。
だからこそ余計に 俺はどこまでこいつに分かられているんだろう、と時々思う。



「公子さ 時間ギリだったりする?」
「いや?いつも余裕持って出てるから」
「そっかそっか なら学校まで一緒行こ-ぜ!」
「喜んで」



本当はずっと怖くてたまらない。
テニスにまっすぐ向き合っている公子から見たら
こうして今バスケをしてる俺のことを半端だと思うかもしれない。

今までふらふら生きてきたから 友だちはたくさんいる。
連絡をとらなくなった奴もたくさんいる。
それでもいいやって思う自分もいるけど
でも それでも公子とだけはずっと一緒にいたい。
嫌われたくないんだ。



to be continued**
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