• テキストサイズ

となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第2章 となりの緑間くん。



学校からの帰り道で本屋に寄って
さぁ出ようと思ったら雨が降っていた。
予報では雨なんて言ってなかったのでもちろん傘なんて持っておらず
買ったばかりの本を濡らすわけにもいかないので
私は本屋の入口前で雨が止むのを待っていた。

「って待ってるのはいいけど時間がなぁ 門限来るし…
まぁ今日は事情が事情だし許してくれるかな…」

と私がつぶやいていたとき
店内に走って入ってきた誰かの体にぶつかった。

「っと すみませ…
あれー 真ちゃん!」
「…公野 こんなところで会うとは珍しいのだよ」

偶然再会したのは同じ学校の緑間真太郎だった。
彼と部活で仲がいい 私と同じクラスの高尾くんがよく
「真ちゃんがさー」と話をしてくるので
成り行きで私も真ちゃんと呼んでいる。
真ちゃんは元々帰りにここに寄るつもりだったらしく
途中に雨に降られたから急ごうと走って入ってきたらしい。

「ていうか 真ちゃんと呼ぶなとあれほど言っているのに懲りない奴なのだよ」
「いいじゃんいいじゃん ほんとは嬉しいくせに♪」
「嬉しいわけないのだよ 馬鹿が」
「馬鹿はないでしょ!百歩譲ってお馬鹿さんとお呼び」
「嬉しいわけないのだよ 大馬鹿さんが」
「ちょ 真ちゃんてめぇ!」



嫌がる真ちゃんの買い物に無理やり付き合い
待ち時間をつぶしてもう一度外を覗いてみたが
雨が止む気配はなかった。

「うーん困った…一応連絡はいれといたけど
あんまり遅いと暗いしなぁ…
って真ちゃんは帰らないの?」
「そう言うお前はどうなのだよ」
「いやー傘持ってないからさ 止むの待ってるんだけど
これは止みそうにないね 小振りになりつつあるけど」
「…公野の家は 確か俺の家を過ぎたところにあったな」
「え?そうだけど それがどうかした?」
「幸い俺は折畳傘を持っている
途中から貸してやるから 一緒に帰るのだよ」
「え!ほんと!?」
「別にお前だけ濡れて帰ってもいいが」
「いやいやいや!あやからせていただきますっ」
「嫌ならいいのだよ ずぶ濡れになる勇気があるのなら」
「いえいえ めっそうもない!」

いや もちろんやじゃないけども!
なんだかすごい展開になってきた…



to be continued**
/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp