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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第13章 となりの桜井くん。



「桜井くん ほんとに大丈夫?
って言ってももう降りられないけど」
「…っはい!大丈夫です!」
「顔がすでに大丈夫じゃないよ」
「え すいません!」
「あー もうてっぺん来ちゃったね」
「え ちょっ…うわああああああああああ!」



上空数十メートルに桜井くんの悲鳴が響きわたるのとほぼ同時に
ジェットコースターは地面へ抵抗なく落ちていった。



桜井良くんは 私と同じ学校の一つ下の後輩だ。
チームメイトを探していた彼とぶつかってしまったのがきっかけで知り合ってから
放課後に彼の懺悔につきあったりしている。

今日はバスケ部のオフの日らしく
彼の先輩で私と同級生の若松から遊園地のチケットをもらったので
いつもの懺悔のお礼ということで
私に2枚とも渡そうとする彼を押し切って 二人で遊びに来た。



「気分どう?」

ベンチに寄りかかって青い顔をしている桜井くんに
ペットボトルのミルクティーを差しだす。

「すいません 公子さん…」
「絶叫系苦手なら嫌って言えばよかったのに
なんとなく察しはついてたけど」
「察しって…
ん このミルクティーおいしいですね」
「でしょ やっぱりロイヤルってつくと違うね」
「ぷは…あれ!?
すいません!僕すごい飲んで…」

焦る桜井くんの手には 半分くらい空になったペットボトル。

「あーいいよ 私も飲んでたし」
「ほんとすいませ…え?」

言いかけて桜井くんは少しの間固まった。

「…これ 公子さんの飲みかけ…?」
「そう 飲みかけ」
「…!!」

かかかか 間接ちゅーじゃないですか!と
顔を真っ赤にさせる桜井くん。
間接ちゅーくらいでそんな、と笑う私より
ずっと乙女で 繊細で かわいらしい彼が
かわいくてしかたがない。



to be continued**
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