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となりの彼。【黒子のバスケ短編集】

第9章 となりの高尾くん。



「ほんとにあんなのでよかったの?
『侵害なのだよ』とか言われない?」
「いいんだってこれで
占い好きに占いの本あげるなんて なかなかイカしてんじゃん!」



なんとか緑間くんへのプレゼントを買えた私たちは
することもないので 店内をぶらついていた。



「あ 俺あれやりてぇ」

和成がそう言いながら指さしたのは ゲーセンのプリクラ。

「え?プリクラおひとり様ってさみしくない?」
「誰が一人っつったよ!公子と撮るんだって」
「は 私と!?」
「何恥ずかしがってんだよ 俺と公子の仲じゃねーの」
「えー…」
「いいじゃねーか 久々に会ったんだし記念にさ!
ほら 行こーぜ!」



気持ちが固まらないまま私は和成とプリクラを撮って
機械の外で出来上がりを待った。

「すごい爆笑して写っちゃった…顔面崩壊してるよアレ…」
「そうか?でもお前かわ…お 出てきた!
かわいく撮れてんじゃん 見てみ」

手渡されたプリクラには
顔を隣り合わせて笑っている私と和成が写っていた。

「ほら かわいい」
「かわっ…!かわいくないよ」
「そんなことねーよ?
しばらく会わない間にすっげぇかわいくなった」

そんなことを照れずに言ってのける。
和成のこういうところが 今も昔も
きっとこれからも ずっと変わらない。

「…ありがと」

「お やけに素直じゃん
かわいくなった公子にはよしよしをしてやろう
よーしよしよしよし!」

そう言いながら髪をくちゃくちゃにする和成。
もう直しようがないくらいくずれてしまったのに
それでも和成は頭をさわるのをやめない。

「…すごいくずれたんですけど」
「すっげぇ芸術的になったなー
なんならこの頭のままもう一回プリクラ撮るか?」

なーんて、と言いへらっと笑う和成。
ぷっつん、

「…加減を知らんのか このでこ野郎!」



ばちっ



「ってぇ!」



end**
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