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依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔



違う。
そうじゃない。


「花?」
「今日しーちゃん、ずいぶん構うね」
「?」
「会ってすぐ、あんな、抱くし。ずっとそばにいてくれるし。終わるとすぐ、タバコ吸いに行くじゃんいつも」
「――――――どんだけ最低なの、花の中で俺」

苦笑しながら。
しーちゃんは花を跨いで。
しーちゃんの体重の重さが、やっぱり心地いい。


「今日は、優しいなって思っただけ」

最低なんて思ってないよ。
花の顔の真横にしーちゃんの腕が置かれて。
あたしも、しーちゃんの首に両手をまわして目を閉じた。






だけど。








「結婚する」









短くそう、告げた唇は。
次の瞬間には花の唇に触れていた。




一瞬。
言われた意味がわかんなくて。
放心状態。



結婚?
誰が?



今、花の口内を動き回る舌は、誰のもの?




キス、するつもりだったよ。
だけど。
キスするつもりでまわした両手の力は脱力。
キスするつもりで閉じた瞳は、まばたきひとつ、動かせない。







「……………ごめん花、子供が出来た」






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