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依存愛-彼と過ごした3000日-

第10章 『崩壊』する音 






「…………ん」



朝。

朝、だ。
私あのまま、寝ちゃったんだ。



「おはよう花」


優生の腕枕から抜け出して。
携帯を探しているところで。
そのまま後ろから胸を抱え込むように、ベッドへと引き戻された。

「優生、時間時間。仕事は?」


慌てて優生の腕を叩いて時間を見ようとしても。
当の本人は眠そうに私の背中に顔を埋めている。


「優生、って、ば!!」


「……今日、定休日」
「え」
「仕事休み」

「あ」


そっか。
水曜日。
定休日、だ。


「花は?」
「日付変わってから」
「夜勤?」
「うん」
「ならゆっくり出来るな」

「……うん」


抵抗を止めて、大人しく優生の腕の中にすっぽりと体をおさめていれば。
す、と腕が解かれて、変わりに優生の顔が、真上にある。


「あ、あの、優生、さん?」
「このままずっとベッドいようか」
「ええ!?いや、あの…」


拒否る体制をとる、前に。
近くなる優生に耐えきれず思わず両目を閉じた、瞬間。





きゅるるるるる……




先に。
私のお腹が悲鳴を上げた。



「ぷ……っ」

当然これには。
いつも紳士な優生さんでさえ、笑いを耐えることは出来なかったみたいで。


盛大に大笑い。



「……だ、だって!!」

わざと、じゃ、ないもん。


「わかったわかった。なんか作ろうな」
「優生!!」

ポンポン、と。
頭を撫でながらキッチンへと向かう優生。
また、子供扱いした。


「花ー、コーヒー入れて」


ぷぅ、とひとり。
ベッドの上でふくれていることもたぶん優生はわかってる。
声が震えてるの、ちゃんとバレてんだからね!!



「……はーい」



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