第2章 朔
ぎゅって、しーちゃんの背中に両手をまわした。
大好きな、しーちゃんの匂いがする。
「ちゃんと別れるから」
「うん」
大好き。
大好き。
このすきを伝えるには、どーすればいい?
どーすれば、伝わるの?
何万回言葉にしても。
足りない。
溢れ出した『好き』は、どーしたら止まるのかな。
ずっとね。
恋愛がしたいって思ってた。
ドラマみたいな恋がしたいって。
何を犠牲にしても。
貫き通す恋愛に憧れてた。
『好き』って。
よくわからなくて。
恋愛の仕方もわからなくて。
全部しーちゃんが教えてくれた。
恋愛も。
人を好きになる気持ちも。
ふわふわしたこの気持ちも。
全部、しーちゃんのおかげで、知ることができた。
しーちゃんがいたから、花は今、ここにいるんだよ。
花、女の子に産まれて。
しーちゃんに出会えて幸せだよ。
しーちゃんの人生に関われたことが、すごくすごく、嬉しくて仕方がないよ。