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依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔


「今の彼女は、正直修辛そうで。早く別れればいいのにって思うよ。花、奪っちゃえば」

「それができれば、苦労しないよー」


確かにね。
最近のしーちゃん、疲れてる感じはしたんだ。
彼女、わがままだって言ってたし。
大変なのかなって。



「なに、人のいないところで悪口?」
「わっ、しーちゃん」

いつの間にか目の前にいたしーちゃんは、ポケットに手を突っ込みながら、そのまま屈んで花のチョコミントを一口、にしてはたくさん、頬張った。

「あーっ」
「だって、溶けてたし」
「タバコなんて吸ってないで食べればよかったのに」
「タバコの気分だったんだよ」
「花のアイスがタバコの味になっちゃう」
「………花、たまにお前面白いよな」
「嬉しくない」
ぷくーっと、膨れてみせると。
「変顔?」
って、また、笑い声が降ってきた。
「変顔してると、アイス全部溶けるよ?」
「澪まで、しーちゃんの味方?」
「結城と手を組んだ覚えはないけど」
「アイスのお礼まだ俺聞いてないんですけど?」
「あたし頼んでないし」
「お前の彼女、けっこう冷たいよな」
「たぶんそれ、修に対してだけだと思う」
「花には澪、優しいよ?」
「俺にもけっこう優しいよ?」

花の口調を真似る藤崎さんに。

「かわいくないし」

拗ねたように顔を背けるしーちゃんが、すごく可愛くて。
可愛くて。

―――――――愛しい。

なんか、いいなぁ。
楽しい。
すごく楽しい。


怖いくらいに、楽しいよ。


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