第2章 朔
「なんで?」
「優しくなくなった時が、怖い」
「いつも、花には優しいでしょ、俺」
「そうだね」
でも。
違うよ。
しーちゃんは優しいけど。
今の優しさは、違うよ。
しーちゃんから流れてくるぬくもりが、今までとは全然違うんだよ。
この優しさは、いつまで続くのかな。
幸せすぎて、不安になる。
楽しくて。
幸せで。
今、このまま時間が止まってくれればいいのにって。
そう、本気で思う。
慣れてないから。
幸せに、慣れてないの。
今が幸せだと、この幸せが壊れた時のことを考えて不安になる。
怖くなる。
しーちゃんの隣にいることが、怖いよ。
失うことを、どーしても考えちゃう。
今この瞬間だけ、この時だけを留めておければいいのに。先のことなんか、考えなければいいのに。
どーしてかな。
不安で不安で、仕方がないよ。