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依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔


「しーちゃん、自分がモテるの、自覚してるよね」
「は?」
「女の子落とすとき、そーやって笑いかけるの?」

ぱっと。
視線をしーちゃんから地面にうつすと。

「妬いてんの?」

意地悪そうに笑う声が、降ってくる。

「花よりかわいい子なんていないから、心配しなくていいよ」

「また、そんなこと……っ。別に、しーちゃんが誰と何してても………」

「いいの?」

「え?」

「俺が、誰と何してても、いいの?」




しーちゃんの、隣にいられたらそれだけでよかった。
彼女になりたいとか。
彼女と別れて、とか。
他の女と遊ばないで、とか。

そんなことは、どーでもよくて。

どんな形でも、しーちゃんのそばにいられたらそれだけでよかった。


ほんと、それだけだったんだよ。





いつから、欲張りになったのかな。



しーちゃんのそばにいられるようになったら、しーちゃんの特別になりたくなって。
しーちゃんの、心まで欲しくなって。

しーちゃんの、全部が欲しくなる。




「やだ」




どこまで欲張りになっていくのかな。


しーちゃんの心まで、なんておこがましいこと、願ってもいいの?

「他の女となんて、遊ばないで」

なんて、彼女でもないのに、しーちゃんを縛ってもいいの?
そんなこといったら、しーちゃんはうざいかな。
怒るかな。


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