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依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔


「そんなに嬉しい?」
「え?」
「これ」

可笑しそうに笑うしーちゃんに、きょとん、と首を傾げると。
繋いだ手を少しだけ上にあげて、にっこりとしーちゃんが笑った。


「そんなに、手繋ぎたかった?」

「え?」

「今、花すっげーかわいい」

ストレートに投げられた言葉に、思わず顔中に全身の血液が流れ込んだ。


「言わなくてもしーちゃんならわかるでしょ?」

「わかんねぇ。じゃ、離していい?」

「え」

力の抜けたしーちゃんの左手を。

「やだ」

ぎゅっと慌ててつかんだ。

「…………繋ぎたかった」

「うん」

「しーちゃんと、こうやって歩きたかった、です」


うつむいて、それだけ言って。

だけど。
無反応なしーちゃんに少しだけ不安になって、ゆっくりとしーちゃんを見上げると。

目を細めてしーちゃんがふっ、て、笑った。


「知ってる」


その笑顔、反則。

そんな顔して笑いかけないで。

そんな瞳で、見ないで。


好きが、止まらないよ。

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