第2章 朔
「……………………あれ」
目が覚めると、自分のベッドの上。
さっきまで、リビングで誕生日会、してたよね?
電気は消されて真っ暗。
頭に巻き付いてるのは。
「え、しーちゃん?」
しーちゃんの、腕。
え、これ、しーちゃんの腕枕?
待って。
状況が全然飲み込めない。
「……………はな?」
掠れた声に、心臓がドキドキする。
体に巻き付いたしーちゃんの腕のせいで、動きづらい体をなんとか動かして、しーちゃんに向き直った。
「おきた?」
「……………はい」
まだ完全に覚醒しきってないしーちゃんの、はじめてきく掠れた声。
「はな、俺がいないときにお酒飲むの禁止」
「え、あの…………?」
顔だけ動かして、しーちゃんを見上げると。
まだ両目は閉じられたまま。
「飲み会行っても、お酒飲まないで」
「え、えーと?」
だんだんと聞こえてくる寝息に、なんだかよくわからずに、花もぎゅっと瞳を閉じた。
目の前が闇に閉ざされると、また自然と睡魔がやってくる。
襲ってくる睡魔に、そのまま意識を差し出したんだ。