• テキストサイズ

依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔


寝室のドアがあいて、ベッドにおろされると。


さっきと同じ唇が重なった。




「…………………んんんっ?」



半分だけ夢の世界にどっぷりと浸かった意識は、いきなりの酸欠状態に一気に現実へと引き戻されて。



「…………しー、ちゃん?」



「起きた?」


ついでに、ベッドに横たわる花を跨ぐしーちゃんの体重分、スプリングが音を立てる。


見下ろすしーちゃんがすごくかっこよくて。
視線が外せない。


「……………とろんてしてる。お酒のせい?」


親指で唇をなぞられれば、金縛りにでもあったみたいに体が固まる。
体中の血液が気化でもしちゃったみたい。
なんか、いつもとちがくない?


「かわいい、花」


何度も何度も重なる唇に。
呼吸がだんだん荒くなった。
呼吸が、出来ない。


アルコールのせいでいつもの倍以上の働きをしてる心臓からも、酸素不足は深刻な問題。


酸素を取り込みたくて、必死に顔を背けようとしても。
すぐにまた。
しーちゃんの唇に掴まっちゃう。


「……………しー、ちゃ」

死んじゃう。

やっと唇が解放された頃には、酸素不足で。
全然思考回路はその役割を果たしてなかった。






/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp