第2章 朔
花がしーちゃんの彼女になったら。
しーちゃんはきっと他に女作って同じことする。
そんなの、耐えられない。
しーちゃんの一番になんてならなくていいから。
ずっとずっとしーちゃんのそばにいたいの。
彼女なら、いつか別れがくるでしょ?
でも、きっとしーちゃんは花を手放さない。
こんなに都合よく自分に従順な女、そういないもん。
「…………意外と計算高いんだな、お前」
「しーちゃんには、内緒だよ?」
「気付いてんじゃねぇの?修だぜ?」
「……………かも、ね」
ごくごくとビールを水のように喉に流し込む、澪の彼氏様は、花と話ながらもずっと視線では澪を離さない。
換気扇の下に来ても、ちゃんと澪のいるソファが視界に入る位置をキープしてるもん。
「藤崎さんて、澪大好きだよね」
「は?」
「しーちゃんと澪話してるの、気になる?」