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依存愛-彼と過ごした3000日-

第2章 朔


「……………」
「……………」


にらみ合いを始めた澪と、しーちゃん。
先に視線を反らしたのは、しーちゃんだ。



「大丈夫」

ビールをキッチンに置きながら、しーちゃんは花の両耳をその手で塞いだ。

「バレてなければ二股にはなんねーんだよ」

「花にはバレてんじゃん」




……………本気で塞ぐつもりがあるのかないのか。

全然聞こえてますけど。

「花は二股とか浮気とか、そんなちぃせーこと気にしないんだよ」

「それはあんたがそうさせてんでしょ?」




ヒートアップしそうなふたりのにらみ合いから、するりと抜け出して。



キッチンに置いたままにしておいたジュースに手を伸ばした。



「………………?」

あれ?
なんか、苦い?

オレンジジュースだよね?


「どした?」

冷蔵庫に、ビールを取りに来た藤崎さんに、グラスを差し出す。

「これ、ジュース?」


「だろ?」


もう1度グラスを藤崎さんに渡すと。

一口口に含んで、首をかしげた。


「俺にはジュースにしか感じないけど」

「だよ、ね?」


気のせいかな。

澪としーちゃんの会話を聞きながら、手の中のジュースを一気に飲み干した。







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