• テキストサイズ

依存愛-彼と過ごした3000日-

第1章 夜暁


「……………しーちゃんとこんな関係してなければ、もっと続いたかな」
「さぁな」

「別れて数時間で、他の男部屋に連れ込んでる時点でアウトだよね」


「…………そうかもな」



「…………ねぇ、しーちゃん」
「いいから、黙っとけよ」



ぐい、って。


顔ごと自分の胸に押し付けて。
しーちゃんは花の目元をそのまま大きな手のひらで覆った。




「……………………しーちゃん、ありがと」



『泣けよ』、って。
そう、言われてるみたいで。
隠された暗闇の中。
しーちゃんの掌にすがって、バカみたいに泣いた。






しーちゃんの優しさは、嘘じゃない。
こんなとき。
弱っているときに、突き放さないしーちゃんの優しさは、ずるいんだ。
そんなずるい優しさにすがって、甘えまくっている花は。



もっともっと、ずるい。









/ 256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp