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依存愛-彼と過ごした3000日-

第1章 夜暁


痛いなぁ。
彼の低評価は全部、花のせい、
花が幸せそうにしないから。
彼ひとりを、悪者にしちゃうんだ。

ほんとは全部。
彼のせいなんかじゃないのに。

それを否定する正義感も、肯定する勇気も。
生憎と持ち合わせてない。




「ねぇ、花?」
「ん?」
「本気でさ、結城なんて好きでいたってろくなことないよ?花は、今みたいにドロドロに甘やかしてくれる人のが絶対お似合いだよ」


「…………うん、わかってる」

「花」
「大丈夫、ありがとう」


心配してくれる大切な友人に、心の底から笑顔が漏れた。


わかってるんだよ。
いけないことしてるの。
しーちゃんにも、花にもちゃんと相手がいて。
相手を騙してるの、ちゃんとわかってる。
それがいけないことなんだ、って、ゆーことも。


だけど。


それの何が、いけないことなのか。
わからない。
確かに相手に言えないってことは悪いことなんだ、って。
わかる。
わかるけど。

どーして。


しーちゃんに会うことが悪いことなんだっけ。
しーちゃんに触れることが、そんなに悪いことなんだっけ。





そんなこともわからなくなるくらい、たぶんもう。
しーちゃんの存在は花にとって麻薬みたいに浸透してたんだと思う。


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