第1章 夜暁
彼と付き合って半年。
しーちゃんから、久々にラインが来たんだ。
『会いたい』って。
それから、だよ。
こんな歪な関係が始まったのは。
そりゃ、ね。
『もう会わない』
それで終わりにすることだって出来たんだけど。
花にはそんな勇気、ない。
それを勇気なんて言っていいのかもわかんないけど。
しーちゃんを失うなんて選択肢、あるわけない。
大好き。
………………違う。
たぶんもう、しーちゃんに依存してたんだ。
「いつか絶対バレるよ」
「大丈夫、バレないよ」
「その自信、どっからくんの?」
「バレなきゃ浮気じゃないもん。びくびくする必要なくない?」
「何それ、結城が言ったの?」
「うん」
「………………純粋無垢だったはずの花が、結城のせいで真っ黒に染まってく」
「澪、言い過ぎだよ」
「私は結城みたいなの、一番嫌いなの」