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依存愛-彼と過ごした3000日-

第9章 迷い





「……どーゆー、こと、これ」
「別に」
「だって澪、しーちゃんと花会うの、良く思ってなかった……よね」
「思ってないよ。進行形で今現在も」

「なら、なんで……?」


「花が掴んだ幸せ、結城のせいで壊されたくないからよ」
「……澪」




仕事終わりの、夜。
澪からご飯に誘われた。
お土産渡したいから、って理由はたぶんほんとだと思う。
だけどお土産なんてわざわざ呼び出さなくてもいいし、言われたらいつでも私、澪の新居にだって行くもん。
それでもわざわざご飯に誘ってくれたのは、旅行の話とか、いろいろ話でもしようかなって思ってたんだと、思ってた。
思ってた。
お店について、店内に、入るまでは。




「澪」



澪と一緒にお店に入ると、すでに藤崎さんは席に座って、いて。
藤崎さんの澪を捉えた視線に合わせるように。
藤崎さんの前に座っていた人が、振り向いた。



「……お疲れ、花」


後ろ姿だけだって、わかる。


「しー、ちゃん」


まるで恋人のような笑顔を向けながら、しーちゃんは花へと視線を向けたんだ。











「どうだった、旅行は」
「あんたに話すと汚れるから嫌」
「相変わらずの嫌われっぷりだな修」
「躾なってないんじゃない?」
「お前が花に酷い態度とるからだろ、自業自得」
「俺いつも優しいよな?花」
「………たまに」
「何たまにって。いつも優しくない?」
「しーちゃんの優しさには裏あるからなぁ」
「何裏って。なんもねーから」



ご飯を食べて。
他愛ない話、して、笑って。
まるで出会った学生の頃に戻ったみたいで。
楽しかった。
なんにも考えずに、ただただしーちゃんを好きだった学生時代に戻ったみたいで。
すごく楽しかった。
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