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依存愛-彼と過ごした3000日-

第9章 迷い







「そんなに気に入った?」
「うん、ありがとう」



にっこり微笑むと、嬉しそうに破顔する優生の笑顔。




「自分が選んだ服着て嬉しそうにしてる姿見るのって、気持ちいいな」

「そう?じゃ、花、いつも嬉しそうにする!そしたらいつも買ってもらえるね?」

「…………………それは勘弁して」







優生のチョイスしてくれたのは。

真っ白いヒラヒラのワンピース。
ついでにデニムのジャケットも羽織として、選んでくれた。
優生の好みがこーゆー系統なのか。
私の好きそうな服を選んでくれたのか。
……きっと後者だろーな。
優生はいつも、私を優先してくれるから。
だけどたまには、優生の好みを押し付けてくれてもいいのにな、とか。
思っちゃうのはやっぱり自分勝手なのかな。


「ありがとう」


「どーいたしまして?」



腕を組みながら首をかしげて優生をのぞきこむと。
あいてる方の手で。
頭をぽんぽん、て、撫でてくれた。


「猫みたい」

「え?」

「こーやると、猫みたいに頭下げて気持ちよさそうにしてる」

「そ、そーかな」

「うん、かわいい」

「…………………っ」



「照れてる?」


「そーゆーこと…………っ、ストレートにゆーから!花、優生みたいにこーゆーの慣れてないもんっ」

どんな顔して返せばいいのか、わかんないよ。

「花にしか言ったことないけど、俺」

「えぇ?彼女いっぱいいたの知ってるもん」


「彼女じゃ、ないよ」


「え?」


急に足を止めた優生を見上げると。


「花以外、付き合いたいと思ったことないから。みんな、彼女じゃない」


「え?」


「言ったろ?花が隣に来たときからずっと、花一筋だって」

「でも、女の子連れ込んでたの、認めたよね?」

「………つれこ…………って」

一瞬苦笑してから。

「だから…………っ、俺だって男だし………」

誤魔化す様に咳払いしてから、そう小声で続けた。


「…………それはそれで、最低」


「はい、すみません」






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