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依存愛-彼と過ごした3000日-

第9章 迷い


今、見られてないよ、ね?


すぐに消したし…………。



「寝なくていいなら」

「ん?」


「花見でも、行く?」


「え?」




3月末の誕生日。

満開には少し早いけど、誕生日は桜が咲き始めてたみたい。
『花』の名前はそこから取った、って。
昔聞いたことがある。



「行く。行く‼」


『桜』にしなかったあたり、自分の親に感謝。
完全にそれ、名前まけだもん。

「あ、でも」


行きたい気持ちだけは十分にある。

だけど。



「1回、家帰って着替えたい」


デートするなら、ちゃんとした格好じゃないと、何があるかわかんないもん。

ちゃんと優生に似合う彼女でいたい。


「なら、ついでに買い物しよーか?」

「買い物?」

「花の服、買いに」

「えぇ?いいよ、アパート寄ってくれれば」

「花、欲ないって言われない?誕生日くらい、もっと欲出せば」

「……………澪にはよくわがままって言われるよ?」

「そう?俺にもわがまましてよ」

「えぇ?無茶ぶり」


クローゼットからジャケット取り出して。

「とりあえず、買い物」

「………………はーい」

羽織る姿がなぜかかっこよく見えて。


顔の温度が上がってるの、気づかれたくなくて。


そう、短く返事した。




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