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依存愛-彼と過ごした3000日-

第9章 迷い


「そういかにも落ち込む顔されると、困る」
「え」
「花は、笑ってた方がかわいいんだからさ」

「………………っ」


突っ込みたくなるくらいのセリフをさらっと言われても、困る。
最近、ずいぶん直球じゃない?


「…………オムライス、美味しいね」

「どうも」


照れ隠しに食べたオムライスは、なんだか懐かしい味だった。






洗い物は花がやるって言ったのに、『誕生日だから』の一言で、あっさりと仕事を奪われた。
『寝ててもいいよ』とまで言われたけど。
さすがに眠気は覚めた。

仕方がないから、バッグから携帯を取り出して。
充電。

充電しながら携帯をなんとなくいじってると。

突然画面に映し出されたメッセージ。


『誕生日おめでと』



すぐに既読にしたメッセージには、返信できないまま、すぐに携帯の画面は真っ暗になった。






びっ…………くり、した。



誕生日、覚えててくれたんだ。


4月生まれのしーちゃんとは、ほぼ1年、違うことになる。


しーちゃんとは。

あの日以来会ってない。

あの日以来、と言っても、まだ1週間くらいしかたってないわけだけど。

この1週間、しーちゃんからの連絡も特になくて。

花からも、特に連絡もしてなかった。



「あれ、また寝る?」

ベッドに頭を寄りかからせた花を、急にのぞきこんで。
そう笑う優生。

「ね、寝ないよ」

急に至近距離でのドアップに、心臓が小さく跳ねた。

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