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依存愛-彼と過ごした3000日-

第9章 迷い


声。
声?
誰だっけ。


「…………」


この、匂い?



いい匂い。
この匂い。



花、知ってる。




これ。




そうだ。




「オムライスだ」



言葉と一緒に、覚醒する意識。


「……………あれ」


覚醒したとたん、状況整理の会議が頭の中で開始した。


え、と。


ここ、花の部屋じゃない。



そ、うだ。


夜勤明けに、確か優生のアパートきて。


それから……………。


それから?


「……………花、目覚めの第一声がそれって、面白すぎんだけど」
「優生」


飛び起きたままに、ぱっちりと開いた視界いっぱいに入り込んだのは。


「おはよ」


エプロン姿の優生、で。
なんとなく、情報処理能力がクリアになってくる。


「あれ、ごめん。花、寝ちゃった?」
「ドライヤーの途中で落ちたよ」
「えぇ?ごめん」

「いーよ別に。お腹すかない?オムライス作ったけど、食べる?」

「食べる‼」

「昔から、好きだったもんな、これ」

「そうだった?」

ベッドからリビングのソファに移動して、テーブルに用意されたオムライスに、視線をうつす。


「すごーい、美味しそう」




「花、すごい険しい顔して寝るのな。仕事そんなに忙しかった?」
「え?そうかなぁ?仕事、は、まぁ忙しかったけど」
「夢でも見てた?」
「うーん、かなぁ?実はあんまり覚えてない」
「夢ってそんなもんだよ」
「嫌な夢なら忘れたまんまでいいや」
「そうだね」
「ねぇ優生、オムライス食べていい?」


キラキラと眩しいオムライスに視線をロックオン。
お腹すいて限界だよ。
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