第1章 夜暁
「だから、お前らいったい、どーしたいんだよ」
「どーもしたくないよ」
「花」
「花は、このままでいい」
しーちゃんの隣にいられれば。
何も望まないよ。
たとえそれが。
しーちゃんが。
花を愛してくれてなくても。
「ねぇ、花」
「なぁに?」
藤崎さんとしーちゃんが、煙草を吸いに行ってる間。
花と澪はアイスクリームタイムだ。
今日は、花たちの通う短大の、学園祭。
藤崎さんが、しーちゃんを連れて来てくれた。
「あれの、どこがそんなにいいの?」
煙草を吸いながら、女の子と仲良さそうに話すしーちゃんに視線を向けながら。
澪さんのキツい一言に思わず苦笑。
あれ、って。
すでに物扱いなんですけど。
「顔?」
「…………も、好きだけど」
「あとなんかいいとこあった?」
「………………」
毒付くなぁ、澪さん。
言葉なくしますよ、花。
「酷くない、それ」